謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日のワンピースの感想。
サブタイトル §
<祝サザエさん生誕60周年アニメスペシャル 必見!ルフィ番外編時代劇に初挑戦!&サザエも新作4本超豪華>の1コーナーとして放映
「ワンピース時代劇スペシャル 麦わらルフィ親分捕物帖」と題されているが、実質的に2エピソード分
あらすじ(前半) §
グランドラインにあるグランドジパングという江戸時代の日本によく似た国の話。
ルフィは岡っ引きの親分。
ウソップはその手下。
チョッパーは青鼻先生と呼ばれる医者。
ナミとサンジはメシ屋をやっています。
その街にバギー率いる道化一家がやってきます。
ルフィ親分はバギー一家と対決しますが、バギー一家は両替屋から金を持って逃亡します。
しかし、実は両替屋は偽金作りの犯人で、バギー一家は金を手に入れることができませんでした。
あらすじ(後半) §
グランドジパングの話が続きます。
お城の姫様、ビビ姫が身分を隠して街に出ます。
ビビは道化一家に狙われますが、強い僧のゾロとルフィに救われます。
ビビはナミの店にやっかいになります。
道化一家はゾロを仲間に引き入れ、ナミを人質に取ります。
ゾロとルフィは対決します。
しかし、実はゾロは道化一家の仲間になったふりをしていただけで、ゾロとルフィは戦いに道化一家を巻き込んで壊滅させてしまいます。
バギーは、大砲で全て吹き飛ばそうとしますが、ロビンが介入して自滅させます。
実はビビはお城のお姫様だったことが明らかになります。
ビビは、もう勝手に城を出ないと約束しますが、それは断ってから城を出る分には構わないという意味でした。
感想 §
これはびっくりですね。
時代劇として、とても優れています。
お約束の踏まえ方も良ければ、歴史に対する見識もあります。
そして、いつもよりも極端な方向にシフトしたキャラの立て方の痛快さ。
大メシぐらいのルフィ親分は、おナミさんの店だけでなく、屋台の蕎麦屋でも大メシを食っています。この描写が素晴らしいですね。実に美味そうな蕎麦です。やはり、江戸は蕎麦ですね。
それから素晴らしいのは、ゾロとルフィの会話です。多くを語らなくても、二人は通じてしまっているわけですね。それが、分かりやすい言葉で説明するのではなく、まるで滲み出るような格好良さ、渋さとして描かれているのが素晴らしい。おそらく、子供達はそれが理解できない可能性がありますが、この飛び抜けた渋さは分かるかもしれません。理解できなくても分かれば良いのです。理解するのは大人になってからで十分。
おナミさん最高! §
今回の内容で特に印象深いのは、「嫉妬しないナミ」という描写でしょう。
ナミの恋人は「銭」と言い切られています。
サンジが他の女に色目を使おうと、男性客達がビビ目当てでメシ屋に来ようと、ナミは嫉妬しません。そうではなく「銭」という価値観で常に行動します。サンジが女客にサービスした分はサンジの給料から差し引き、客を連れてきてくれるビビの存在は歓迎します。このストレートで分かりやすいナミの価値観は、たぐいまれなる行動力で裏打ちされることによって、実に爽快なキャラクター性を産み出します。
いや本当に、惚れるならこういう女性に惚れたいものだと思います。
今回の名台詞 §
「このカブキ者め」
両替屋の主人がバギーに向かってこの一言。
カブキ者というのは、国家芸術である歌舞伎を演じる高尚なアーティストのことではなく、変な格好をしたおかしなハミ出し野郎という意味ですね。
全体として、あり得ない話、作り話として構成されているにも関わらず、こういうポイントできっちりと歴史的な言葉の意味を踏まえた使い方をしているために、「明らかに嘘なのに納得させられる」という優れた作品に仕上がっていると感じます。言い換えれば、嘘だけど隙がない、といった感じでしょうか?
エンディング §
しかも、本編が終わった後、メインキャストが良い声で歌うエンディングに突入するのも気持ちが良くて良いですね。特にルフィが良い声で歌っているのですね。